Matthewの備忘録

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高専ロボコン2010のルール案

高専ロボコン2009の感想

 高専ロボコン2009『DANCIN' COUPLE』の全ての大会、すなわち八つの地方大会と全国大会、を視聴しました。BS2の全試合版はまだですが。どの地区大会にも見所があり、また全国大会は完成度が高まった「ロボット」がダンスパフォーマンスと白熱の試合を展開したので、楽しめました。昨年よりさらに難しい課題とルールに果敢に挑戦した高専生達を賞賛せずにはいられません。面白いところ、気になったところがあったので、まとめずに散文形式でつらつらと書いておきます。率直に愚直に失礼でも書いておきます。

 昨年の全国優勝チーム(沖縄高専)の二足歩行における方向制御方式を真似ているところが多かった。実現しやすいのだろう。とはいえ、去年の優勝ロボットほど速くないし、安定してないのも多かった。

 重心の移動を伴う動歩行に果敢に挑戦しているチームがあったが、不安定なロボットが多かった。設計時は静歩行だったが、出来上がったら動歩行になったのかもしれない。

 シミュレーションしていないのだろうか。最近は物理法則やリンクといった機械要素を容易に設定してシミュレーションが行える無料のソフトウェアもあるが、利用されていないのだろうか?簡単な構造と運動なら、重心の位置などを求めてそのまわりでモーメントが平衡するかどうか調べたり、重心が激しく動くようなら運動方程式をたてて、安定判別のための多項式などを導出して安定か不安定か判別したりできるはずだ。関節も多くないし。関節の多い本格的な人間のような歩行をしようとしていたところがあったが、電流不足だったのだろうか、動いてなかった。あのような多関節のロボットの歩行にに関しては詳しくないのだが、ZMP安定判別規範モデルをよく勉強したらよいのではないか。論文などは、検索だけならGoogleはその他の検索サイトで行えるし、高等教育機関が契約していたらアブストラクトだけではなく論文の本文ももリンクをクリックするだけで読めるはずだ。おそらく殆どの高専でもそうなっているはずである。

 派手な跳躍運動をしているロボットがあった。始めに、設計とシミュレーションを重ねてから製作しているのだろうか?それとも、ある程度作ってから調整しているのだろうか?あれだけ動けるという確信をどうやって得るのか?スタジオ披露では摩擦係数の違いから、跳躍や決めポーズがうまくいかなかったようだ。

 電流不足に泣いたチームがあると聞いた。電力制限があるのだから、設計方針が間違っているだろ、それ。

 本当はもっと前にこのブログに書いておきたかったのだけど、この企画、映画『ウォーリー』に触発されてるよね?「二人」のロボット、プレゼント、ダンス、そのまんま企画につながるよね。でも彼らは二足歩行じゃないんだけどね。一応フィギュアスケートということなんだろうけど。

 プレゼントをとるのに四苦八苦しているチームが多かった。意図的だとすれば、ルール考案者は結構「いぢわる」だね(笑)。

 もっと「イケイケ」「ノリノリ」でダンスしてくれると思っていました。そうしようとしていて目立ったのは岐阜高専のチームだけでした。選曲は学生の趣味だったのか!(笑)。大会名の"DANCIN' COUPLE"に対して、"STAIN' ALIVE"というロボット名でもよかったのに(笑)。たぶんこの大会のタイトルつけた企画者は"STAIN' ALIVE"が頭にあったんじゃないのかな。地区大会での『愛のコリーダ』ではテンポが速すぎる気がするので、マイケル・ジャクソンが唄った"Rock with you"のほうが、テンポが遅くてもダンサブルでかっこよく、合っていたのではなかろうか?音源が手にはいらなければ、DAFT PUNKのアレンジ版でも良いし。Earth Wind & FireのLet's Grooveでもよかったかも。でも、あのポーズをさせたかったのだから、しかたないよね。岐阜のSPICAは、腰というか股関節(または腰にあたるところ?)をくねらせて重心移動をさせながら歩行していたので、人間に近い歩き方をしていると思いました。

 佐世保高専には「ムーンウォーカー」というロボット名でムーンウォークを披露して欲しかった。勿論BGMは「ビリー・ジーン」で。マイケル・ジャクソンへの追悼の意を込めて。

 骨格むき出しではなく、外装が施されたロボットが多かった。重量制限を緩和した効果が現れている。よい傾向だと思います。将来、この外装が課題に関わるようになるかもしれませんね。芸術点などではなく、機能的な意味で。

 ロボットの外装だけでなくコントローラーや雰囲気作りのための小道具まで製作するところが現れて、面白かったです。昔の高専ロボコンの雰囲気が戻ってきた気がしました。「ギター型コントローラー」とか、「鵜飼コスプレ」とか、蘇ります(笑)。もっとやってください。

 和歌山高専の多足型ロボットのウメガールと豊田高専の叢雲のそれとはなんだか似てますね。

 香川詫間はなんであんなに強いのでしょうか?「詫間方式」ともいわれる開発方式のおかげでしょうか。100点とったのになんで大賞ではないのでしょうか?

 昨年に大賞を受賞した津山高専が、今年はキカイタイソウを改造した月面宙返りロボットを「ムーンサルト」と名づけてを披露してくれると期待してました。いや、いまからでも作ってほしいです。つくっていたら、大賞をとっていたでしょう。

 なんとなく、東側のチームに勢いがないのは気のせいですか?

 近畿地区大会が良かった。競技的にもパフォーマンス的にも良かった。この調子なら近畿地区から全国制覇するチームがでてくるに違いない。筆頭は和歌山高専だろうか。

 舞鶴高専の鶴恋慕の頭を精巧につくったマネキンの頭にしたら、「不気味の谷」はあらわれるだろうか?『オー!マイキー!』程度のマネキンではあらわれないと思う。

森先生に「不気味の谷」をみせつけろ!

 高専ロボコンの提唱者である森政弘東京工業大学名誉教授は、ロボットを人間に近づけていくと、人間はロボットに人間らしさを知覚し、その感覚を増していくが、人間がロボットを完全に人間として知覚する、または、そのそっくりなものと知覚できる前に、ロボットを人間やかなりそっくりなものとは知覚できずに不気味なものとして知覚するという「不気味の谷現象」があるとおっしゃっておられる。この谷は実際にあるのかないのかロボットでは実証されていないし(CGならあるらしい)、理論的裏づけがあるわけではない。あるのか、ないのか?大阪大学の「あー、あー」としか言わないロボットは不気味ですが。

 森先生は、高専ロボコンに参加する学生達に、高専ロボコンという場を与えるきっかけを作り、毎年地区大会や全国大会で評価を与えてくださり、さらに頑張った高専生達への賞賛を忘れず、高専ロボコンに参加する高専生とその関係者に、高専ロボコンに参加した誇りと良い思い出を与えてくださっている。このまま与え続けられているままでよいのか?確かに、毎年、とんでもない課題と厳しいルールを乗り越え、開発したロボットを披露することでお返ししていると考えてもよいだろうが、それだけで終わるのは夢がない。

 森先生もご高齢である。特定の人間の寿命を話題にするのは大変失礼ではあるが、高専生とその関係者達は、森先生への恩返しという意味で、高専ロボコンのルール内で実現できるロボットで森先生のいう「不気味の谷」を実証してみせてはどうか。あまりにも不気味で番組の編集でカットされるぐらいなロボットを製作できたら、観戦しに来た子供が泣いてしまったら、作っているうちに不気味に思ったら成功だろう。

高専ロボコン2010のルール案その1

 やっぱり「ガチンコ」でやらせてくれということで、国技館で行われているということもありますし、「相撲」はどうでしょうか?相撲には制限時間がないので、制限時間内に相手陣地に入っている方が勝ちということにして。ぶつかっても壊れにくく、また相手に捕まれにくくするための工夫が必要なので、外装は機能的にしておく必要があるでしょう。また、褌は必ず規定の大きさで作ることが必要でしょう。また、今回は二足歩行だけではなく腕(かいな)にもアイディアを施さないと、陣地に攻め込まれて負けるだけです。攻め込んできた相手をうっちゃりや上手投げで逆転するといったことが必要です。不利になっても逆転できる可能性があるというのがこのルールのポイントです。アイディアの見せ所は耐久性といろいろな技を繰り出す腕、強靭な二足歩行を実現する足腰です。ゲストには関取呼べますし、実況も大相撲風にしてくれたら面白いと思います。

 盛り込むルールとしては、四股を必ず踏んでからじゃないとスタートできないとかどうでしょう。片足を高さ50cm以上あげないと相手に向かっていけないとか。四股中に相手に倒されるのは相撲としておかしいので、相手が四股をとっているときは、両足が再び接地するまで、接触禁止でよいでしょう。まだ四股をとっている相手の1m前までこれるぐらいがちょうどよいでしょう。行事(審判)が「のこった」というまで接触禁止がよいでしょう。四股を速く行ったほうが有利です。また、四股は自動で行われなければなりません。四股以外は手動です。

 相手陣地の深いところにそれぞれ居座って相撲をとらないということも考えられるので、競技フィールドの真ん中をロボット1.5台分しか通れないように絞るとかどうでしょう。鉄アレイに似たような形のフィールドです。または、相手から自陣に攻め込まれているときは相手と組んでいる(接触している)以外の状態、すなわち単独で相手陣地に踏み込めないルールにすればよいでしょう。陣地で不利なほうが必ず相手を倒さないと勝てないルールにしておく必要があります。

 腕の数は制限せずに、千手観音的なのがでてくるようにしてもよいでしょう。

 褌はスチール製の丸パイプを円形に繋げたもので、ロボットはこの円形丸型パイプの内径から2cm少ない円形断面より「太って」はいけません(笑)このパイプは最高で四箇所で一定の幅と高さの部品でロボットとつなげてもらいます。もちろん、褌がとれたら、「もろだし」で負けです。褌とそれをロボットにつなぐ以外の部品が壊れたり、外れても負けとはなりません。

 昔のロボコンでは大会を始める前に「相撲甚句」が唄われていたのですが、最近のロボコンでは行っていないようですね。このルールが採用されたらこの回だけでも復活を望みます。

 土俵は「足が出た、出てない」で揉めることをなくすために、土俵の外側は段差で一段低くなっています。確実に「足が落ちた」ことがわかるようにします。もちろん「徳俵」のような出っ張りはあります。

 電力制限はもちろんあります。

 壊れることを考慮して、取り替えるための部品の重量制限もあります。ロボットと同じ重さまでの予備部品を用意することができます。

 同体や死に体で決着がつくことがあります。「ものいい」システムが必要かもしれません。

 同体でどうしても決着がつかないときは、再試合もよいですが、それは地区大会と全国大会の決勝戦だけにして、決勝戦以外は奇数人数の審査員がロボットの外装、四股、そして競技中の技をみて票決します。

 大きくつくると「華奢」になるので、ロボットのディメンジョンはこれまでの大会より若干小さくしたほうがよさそうです。

 利用できる無線は昨年と同じ。沢山の関節を直接操作したければ、沢山の情報を送受信できる無線をつかったり、プロトコルやデバイスがそろっているものを利用してもよいでしょう。

 打撃は腕で「張り手」しかできません。蹴りは「相撲」ではないので負けとします。

 ロボットには頭を必ずつけます。大銀杏をつけなくてもかまいません。

 高専ロボコンの特徴である、モノを運ぶ要素を入れてもよいと思います。郷土の産物を胸のあたりにおいておいて、相手に落とされたり落としたら負けになるとか。四股を踏んでいる間、落とさないようするというのがポイントです。

 どうでしょう?