Matthewの備忘録

忘れたときはここを見ろ。何か書いてある。

日本の技術競技系番組の視聴率

10周年ネタでもあるが、一昨年は、高専ロボコン20周年、フジテレビでF1を全戦放送するようになって20周年、鳥人間コンテスト30周年が重なっていた。コンドラチェフ波動など、4つぐらいの「波」が認められているが、こういう偶然が何故おこるのか遠因を突き止めてみたいところである。それはさておき、この三つの番組の共通するところは市販されていない自分たちで製作したマシンを操ってアイディアの良さ、速さ、または飛行距離を競うもので、技術的な興味とそれを操る人間ドラマを魅せるところに番組の根幹がある。他の局でも同様な番組があるが、若干趣旨が異なる(TVチャンピョンなど)。

F1はミヒャエル・シューマッハーが強すぎて興味が薄れたことがあったが、昨年は接戦とアクシデント、直接対決、そして奇跡的で劇的な最後まで分からない展開があり楽しめた。20年以上前のピケ、プロスト、マンセル、セナがいた時代のようなレースをここ数年みせてくれている。世界的に経済が衰退し、そろそろレシプロエンジンの時代が終わりを迎え、興行の前途に暗雲が垂れ込めていそうではあるが、技術駆使し駆け引きをするレースはまだまだ楽しめそうである。しかし、日本の地上波F1番組の視聴率がよくないそうだ。ペイパービュー方式の衛星放送のチャンネルに熱心なファンが移動していることも考えられるが、それを考慮しても落ちているそうである。若者が車に興味がないという調査報道があったが、それとも関連しているかもしれない。

F1の地上波番組と同様に地上波で放送されている高専ロボコンも視聴率が年々下がっているそうだ。黎明期には全国から沢山の「面白かった」という感想が寄せられたそうである。実は私もある回の感想の一部(全部?)を読んだことがある。凡そ予想していた通りの類型に分類でき、「あれはやっぱりそう思うよねぇ」と凡そ視聴者と同じ感想に至ったことに少しだけ満足したことがある。閑話休題、視聴率が下がっている原因は幾つか挙げられるだろう。

  1. 多くの日本人が技術競技系なことに興味がなくなってきた。
  2. そんなもの見ている場合ではない!職を探さねば!
  3. 他のロボコンのほうが面白い
  4. 全国大会なのに一部のチームしかクローズアップされなくなってきた
  5. 下手な演出は要らない!F1と同様にコアなファンは全試合番組を衛星放送で見る
  6. 高校野球と同様に学生のアイディアと奮闘を見る番組なのに、最先端なものが沢山出てくると勘違いされ期待外れをされる
  7. 世界大会までつながる大学部門のほうが面白いじゃん!東大は強いから応援するよ
  8. ・・・

ところが、10年の長があるからなのか、人類の飛ぶことへの先天的な飽くなき欲求がそうさせるのか、鳥人間コンテストは視聴率が他の二つの番組に比べて高いのである。年によって、というより内容によって変化が大きいそうだが、ほぼ毎年二桁を維持しているそうだ。他の二つの番組との違いは何なのか、後日また考えてみようと思う。